特集 消化管ポリポーシス2000
序説
大腸腺腫症の臨床研究からみた消化管形態診断学
八尾 恒良
1
1福岡大学筑紫病院消化器科
キーワード:
大腸腺腫症
,
家族性大腸ポリポーシス
,
Gardner症候群
Keyword:
大腸腺腫症
,
家族性大腸ポリポーシス
,
Gardner症候群
pp.257-260
発行日 2000年2月26日
Published Date 2000/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104801
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はじめに
本誌の編集会議で本号の序説の担当を割り当てられたとき,一度はお断りした.筆者は20年も消化管ポリポーシスの研究から離れているし,最新の考え方に立脚した立派な序説を書ける方がほかに多数おられると思ったからである.しかし,序説を依頼された理由が昔のfamilial polyposis of th ecolon(家族性大腸ポリポーシス;FPC)とGardner症候群(G症)との異同に関する研究過程を述べることにあると聞いて,何となく書けそうな気がしてお引き受けした.そして,本稿を書いている途中で,この面では牛尾恭輔先生の立派な論文(胃と腸28:1305-1321,1993)1)があることを想い出したがもはや遅かった.
昔,この研究に参画した一員として当時の研究を振り返り,遺伝子解析の時代における消化管形態診断学の役割について考えてみたい.この序説が臨床研究,特に消化管の形態診断学に没頭している人たちの考え方の一助となれば幸いである.
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