Japanese
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今月の症例
幽門腺の囊胞状拡張を伴ったⅡa+Ⅱc型早期胃癌の1例
Ⅱa+Ⅱc Type Early Gastric Cancer with Cystic Dilatation of Ordinary Glands, Report of a Case
楠 裕明
1
,
田村 忠正
1
,
茶山 一彰
1
,
田中 信治
2
,
嶋本 文雄
3
Hiroaki Kusunoki
1
1広島大学大学院分子病態制御内科
2広島大学医学部光学医療診療部
3広島大学医学部附属病院病理部
pp.1374-1376
発行日 2002年10月25日
Published Date 2002/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104562
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〔患者〕 64歳,女性.主訴は特になし.2000年11月高血圧で通院していた近医で胃の内視鏡検査を勧められ,抗凝固剤内服中であったことから,同年11月(生検なし)と2001年1月(生検施行)の2回検査された.前庭部前壁にⅡa+Ⅱc型早期胃癌を指摘され,2001年2月精査加療目的で当科を紹介された.
〔胃X線所見〕 空気量少量の前壁造影では,立ち上がり明瞭な中央に陥凹を有する扁平隆起性病変を認め,2本のひだがあたかもbridging fold状に流入していた(Fig.1a).空気量中等量で腹部を枕で圧迫して撮影した前壁造影では,隆起の丈が減少し全体的に平坦化した.隆起(透亮像)部分には非病変部より連続する繊襲がみられ,中心部に広く淡い陥凹を示すバリウム斑がみられた.陥凹の境界線はいわゆる蚕食像を示し,外側に棘状にのび出した像も認められ陥凹部が癌であることが示唆された.陥凹内の口側大彎寄りには透亮像を認める以外は比較的無構i造であった(Fig.1b).病変自体の伸展は良好であった.
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