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編集後記
芳野 純治
pp.1586
発行日 2005年10月25日
Published Date 2005/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104295
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巻頭の「小腸内視鏡検査の歴史」で述べられているように,小腸は消化管の中で内視鏡検査が行われ難い唯一の臓器であった.しかし,近年のダブルバルーン内視鏡やカプセル内視鏡の開発により,新たな展開がみられるようになった.特に,ダブルバルーン内視鏡は開腹の既往のない症例では92%に全小腸の観察がされ,検査時間は平均2時間以内と記載されている.しかも,これまでなかったほどの多数の病変が以前より比較的容易に診断されるようになった.また,ポリペクトミーや止血などの各種の治療が可能なことも大きな利点である.一方,スクリーニング検査法として,カプセル内視鏡や体外式腹部超音波検査が役割を果していくのであろうか.小腸検査法の新たなる変革の時期になったと言える.
小腸内視鏡検査に比して小腸X線造影検査は,狭窄を有する症例やびまん性の疾患に対して有用性がみられるとしている.また,小腸内視鏡検査は微小病変の診断に特に優れるとされる.これは胃・大腸疾患に対するX線検査と内視鏡検査との対比と同様である.序説で八尾が憂えるように,今後,小腸疾患の検査でも同様になるのであろうか.
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