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編集後記
芳野 純治
pp.1598
発行日 2003年10月25日
Published Date 2003/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104241
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本号では粘膜下腫瘍様病変を消化管癌の腫瘍の2/3程度の部分が非腫瘍性粘膜に覆われた病変とした.食道や胃には粘膜下腫瘍の形態を示す癌を時にみるが,大腸には極めて少ない.その類似点や相違点はどこにあるのかについて論じた.
食道癌では門馬らは類基底細胞癌などの特殊な組織型の癌について述べ,小林らは逆に約半数に扁平上皮癌がみられるとしてその組織学的特徴を述べている.後者は粘膜下腫瘍様の胃癌と類似した点が多い.胃癌では石黒らはlymphoid stromaを伴う癌など従来より指摘されている病変の他に,線維化の強い限局したscirrhous carcinomaがみられるとしている.大腸ではリンパ濾胞の増生の強い癌,粘液癌にみられこの点は他の2臓器と同様であるが,症例が少ないのは組織型が多彩でないことによるとしている.
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