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編集後記
小山 恒男
pp.1334
発行日 2005年8月25日
Published Date 2005/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104291
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かつて上部消化管内視鏡のターゲットは早期胃癌であり,食道は通過臓器であった.直視鏡の時代になり,食道癌も発見されるようになった.しかし,表在癌の発見は難しかった.ヨード染色を行えば扁平上皮癌の発見は容易である.スクリーニング目的のヨード撒布が推奨された.しかし,ヨード染色は患者様に苦痛を強いる.ヨードに頼ると通常観察能が落ちる.通常観察のみでの診断は不可能か? プロナーゼで粘液を落とした.食道粘膜を水洗した.注意深く観察した.食道表在癌は通常観察でも診断できるようになった.しかし,咽頭癌は相変わらず進行癌ばかりであった.
咽頭にも早期癌があるはずだ.幻の咽頭早期癌発見へ向け,内視鏡医の挑戦が始まった.本号は早期咽頭癌発見へ挑戦した先達の智恵の結集である.解剖から病理,疫学,内視鏡診断,拡大内視鏡診断,NBI,そして内視鏡治療まで.今や早期咽頭癌は通常内視鏡で発見できる時代である.本号を明日からの診療に役立てていただきたい.
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