特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
縫合線(suture line)
小越 和栄
1
1県立がんセンター新潟病院内科
pp.395
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104067
- 有料閲覧
- 文献概要
縫合線は内視鏡用語として,消化管を全層切開をし,縫合した際にみられる粘膜部分の線状の瘢痕に対する用語であり,一般的には特定の部位と状態を示す言葉ではない。しかし,この用語が重要となる場合は,切除胃の小彎側の縫合部であり,それは残胃の切除線の一部を示している.
この部の縫合線が重要な理由としては,①内視鏡的に残胃小彎側に線状潰瘍瘢痕様に観察され,ときにはその部がⅡC陥凹に類似した粘膜状態を呈すること,②ときにはこの部が隆起として観察されたり,肉芽腫がポリープ状に観察されること,③また,この部分が残胃の切除線に当たり,胃癌,特に早期胃癌の場合には吻合口と同様に癌の残存(OW+)の有無の判定,更に局所再発の有無の観察に重要な部位であること,などである.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.