特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
ひだの棍棒状の肥大,肥厚(clubbing,club-like thickening)
大田 由己子
1
,
木村 健
2
1東京女子医科大学成人医学センター
2自治医科大学消化器内科
pp.384
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104056
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棍棒は,そもそも浄化を表す剣とは対照的に,懲罰に使われた道具で,攻撃的な力や勇猛さの象徴である.オリーブの木で作った棍棒を手にした,ギリシア神話のヘラクレスの像を思い浮かべる人も少なくないだろう.
古くから,X線診断上,集中ひだの先端が太まっている所見は,棍棒状の肥大,肥厚と表現され,癌診断の有力な手がかりとされてきた.これは単に,形の類似から連想されただけでなく,この言葉の持つ荒々しいイメージも強く働いて名付けられたのかもしれない.
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