特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
囊形成(sacculation)
黒木 文敏
1
,
飯田 三雄
1
1川崎医科大学内科 消化器Ⅱ
pp.380
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104052
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1966年,Marstonら1)は虚血性大腸炎を壊疽型,狭窄型,一過性型の3型に分類し,狭窄型の慢性期の特徴的な注腸X線所見の1つとしてsacculation(囊形成)という用語を用いた.sacculationとは,潰瘍の瘢痕収縮によって生じた腸管の変形を表す用語であり,比較的大きな囊状の変形もしくは偽憩室(pseudodiverticulum)様変形を示す.
虚血性大腸炎においては,結腸紐に沿って縦走潰瘍が形成されるため,sacculationはその対側に形成される.潰瘍が治癒する際の粘膜下における線維性組織の不均一な沈着により,このような変形が生じると考えられる.
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