特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
a.検査・治療手技用語
食道の内視鏡的狭窄拡張術(endoscopic dilatation of esophagal stricture)
神津 照雄
1
1国保成東病院
pp.298
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103976
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内視鏡的狭窄拡張術は食道の良性・悪性狭窄に対する内腔確保の手技である.良性狭窄に対しては通常ブジーが使用され,悪性腫瘍による狭窄にはプロステーゼが留置される.それぞれ様々な材質のものが市販されている.ブジーの手技に関してはダイレーター内にガイドワイヤーが挿入できるものが開発されてからと,生検鉗子口を通せる注入耐圧の高いバルーンが開発されてから,容易,安全に施行されるようになった.それ以前は高周波切開を行い,ダイレーターを挿入していた.Fig. 1はポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた逆流性食道炎による狭窄拡張の様子を示す.通常1回の施行で内視鏡が狭窄部を通過するようになる.プロステーゼにはFig. 2のように種々の材質および長径のものがあるが,最下段のものはモノフィラメント・ワイヤーの材質でフレキンブルであり,上段のものに比して上部食道にかかる病巣でも違和感は少ない.Fig. 3aは挿人前の狭窄の程度を示し,Fig. 3bは挿入後であり,常食摂取が可能な内腔が保たれている.プロステーゼの選択はX線透視下に病菓の長さに応じたものを使用する.
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