特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
a.検査・治療手技用語
点墨法(ink-injection method)
松本 主之
1
,
飯田 三雄
1
1川崎医科大学内科消化器Ⅱ
pp.289
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103969
- 有料閲覧
- 文献概要
消化管内視鏡検査における点墨法は,病変をマーキングする手技の1つである.すなわち,局注針で胃や大腸の粘膜内ないし粘膜下層に墨汁を注入することで,病変の近傍に黒色斑として目印をつける方法である.
文献上では,1970年に氏家ら1)が胃癌の内視鏡所見と切除標本所見を対比するために点墨法を用いたのが最初の記載で,この方法の有用性は他の検討でも確認されている。渋木ら2)の報告によると,内視鏡用の局注針を用いて消毒滅菌した墨汁原液を0.01ml局注することで,粘膜面に黒点として長期間残存し,肉眼的ないし病理学的検索における指標として有用であったとされている.更に粘膜下層に0.1~0.5ml程度の墨汁を局注することで漿膜面まで染色されるので,本法は術中の切除範囲決定にも有用である.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.