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書評「予防医学のストラテジー―生活習慣病対策と懸増進」
青山 英康
1
1岡山大学医学部衛生学教室
pp.492
発行日 1998年2月26日
Published Date 1998/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103626
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公衆衛生従事者はもちろん,地域における保健と医療と福祉の連携強化に関心を持ち,かかわりを持つ医師や保健婦など,すべての保健と医療の各専門職にとって,最も熟読してもらいたい書物を手にしたように思う.その意味で,この書物を見つけ出し,わが国での訳書を刊行しようと努力をされた訳者の水嶋春朔先生に感謝したいし,彼の試みを支えた共訳者と若手研究者を励まし,監訳をお引き受けになった曽田・田中両教授に敬意を表したい.複数の訳者の共同作業によるものの多くは訳者の能力の差が出て読みづらく,原書を読み直したくなるものだが,本書は全く読みやすく,確実に邦訳されており,原書の内容のすばらしさとともに訳書としてもすばらしい書物であり,初版とは信じられないでき栄えである.
書名の関係で“予防医学”と表現されているが,公衆衛生学の永遠の命題である“個人と集団”,“健康と疾病”,そして“集中と分散”を極めてわかりやすく解説してくれており,公衆衛生学(以下,予防医学と同義語として使わせていただく)の教科書として最高級の内容となっている.
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