特集 消化管悪性リンパ腫1998
主題
Ⅰ.総論
消化管悪性リンパ腫の病理学的鑑別診断と問題点
吉野 正
1
,
赤木 忠厚
1
1岡山大学医学部第2病理
キーワード:
悪性リンパ腫
,
消化管
,
MALTリンパ腫
Keyword:
悪性リンパ腫
,
消化管
,
MALTリンパ腫
pp.289-297
発行日 1998年2月26日
Published Date 1998/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103596
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要旨 消化管悪性リンパ腫の中でMALTリンパ腫は最近確立した疾患概念で,発生頻度も高い.そこでMALTリンパ腫を中心として鑑別すべき疾患を検討した.MALTリンパ腫は反応性リンパ組織増生,他の低悪性度リンパ腫との鑑別を要することが多く,形成されるlymphoepithelial lesionによっては癌との鑑別も問題になる.これはときに高悪性度化することがあるが,低悪性度MALTリンパ腫のプログレッションにはかなりの時間経過が必要であると考えられた.大型リンパ腫細胞の増生より成る大細胞型リンパ腫は,癌,悪性黒色腫などとの鑑別が問題になり,若年例ではBurkittリンパ腫との鑑別も重要である.
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