学会印象記
第63回日本消化器内視鏡学会総会
赤松 泰次
1
1信州大学医学部附属病院光学医療診療部
pp.818
発行日 2002年5月25日
Published Date 2002/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103531
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第63回日本消化器内視鏡学会総会は,藤野雅之会長(山梨医科大学第1内科教授)のもとで,4月18~20日までの3日間甲府市で開催された.“Towards a Global Integration of Endoscopy(内視鏡のさらなる国際化へ)”をテーマに海外から大勢の招待者を迎え,また発表スライドはすべて英語という斬新な試みで行われた.また,シンポジウム10,パネルディスカッション3,ワークショップ6,クリニカルディベート3と多数の主題が組まれ,意欲的な取り組みが感じられた.
第1日目は午後から,特別講演「インシデントリポートからみた内視鏡のリスクマネージメント」とクリニカルディベート「内視鏡的粘膜切除術適応拡大の是非 胃癌」を拝聴した.特別講演では鈴木博昭先生(東京慈恵会医科大学)が,最近話題になっているリスクマネージメントの問題について詳細にわかりやすく解説された.クリニカルディベートでは早期胃癌に対する内視鏡的治療の適応拡大の問題について,病変の大きさ,深達度,組織型などの点から議論された.大きさについては従来の2cm以下という制約にとらわれずに適応拡大が可能という意見が大半を占めた.一方,深達度や未分化型癌に対する適応拡大については慎重な意見が多かった.夕方,サテライトシンポジウムとして「胃と腸」大会があり,筆者は高相和彦先生(山梨県立中央病院内科)と司会を務めた.症例は恒例に従って甲信越地区から呈示されたが,数か月前から準備した甲斐もあって興味深い症例提示が多かった.
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