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書評「Atlas of Gastroenterologic Endoscopy : by High-Resolution Video-Endoscope」
鈴木 茂
1
1東京女子医科大学・消化器内視鏡科
pp.140
発行日 1999年2月25日
Published Date 1999/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102945
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医学の領域でも,その時代が要求している斬新な書物を作るということは大変重要であるし,大変難しいことでもあります.ことに英文の学術書を出版することは並大抵のことではできません.この度,藤盛孝博,星原芳雄,田淵正文の3先生と共同編集でAtlasを出版された長廻紘先生は,この仕事をいとも簡単に,そして的確に成し遂げるすばらしい才能をお持ちの方だと,いつも感嘆しております.だから先生の出版される書物は,時宜を得た,簡潔なもので,多くの読者に歓迎されるのです.
本書も先生のこの哲学のような思想から作り出された,大変簡略で,わかりやすいAtlasであります.ここには食道から大腸までの高解像(high-resolution)内視鏡写真が美しく,実に鮮明に大きく印刷され,英文の解説はあくまで簡略に,必要最低限ですましているのは何ともありがたいものです.医学書のAtlasというものは,何といっても,そこに揚げられている写真が生命であります.本書の内視鏡写真は見事なものばかりです.そもそも,通常の拡大内視鏡の写真はコマ全面が焦点よく,求めるものが的確に捕らえられているものが少なく,大きく引き伸ばしても満足できるものを撮るのに大変苦労することは,多くの内視鏡医が経験していることです.
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