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書評「内科外来診療マニュアル 第2版」
生坂 政臣
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1聖マリアンナ医科大学病院総合診療内科
pp.1118
発行日 1999年8月25日
Published Date 1999/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102801
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熟練外科医の華麗なメスさばきや,一流の神経内科医の流れるような所見の取り方にある種の感動を覚えるように,よくトレーニングされた総合医が,多様な訴えを持つ外来患者を相手にインタビューと身体診察を自在に駆使して,短時間に的確な診断を下し,苦痛に満ちた患者の顔から安堵や笑顔を引き出していくさまは,まさに医療のアートである.
近年,わが国でも外来診療のための研修の必要性がようやく認識され始めてきたが,疾患の多様性,コストや時間の制約から要求される臨床判断学や社会的なマナーまで,すべて含めて一冊の本にするのはたやすいことではない.ましてそれらを凝縮させたマニュアルとなればなおさらである.その困難な仕事を,本書では卓越した一般内科外来医を執筆者に揃え,構成に工夫を加えることにより見事に成就させている.
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