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海外文献紹介「超音波内視鏡による食道癌の進展度(TN)の評価」
中村 常哉
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1愛知県がんセンター病院消化器内科
pp.825
発行日 1991年7月25日
Published Date 1991/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102593
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Evaluation of endosonography in TN staging of oesophageal cancer: Ziegler K, et al (Gut 32: 16-20, 1991)
食道癌の治療方針は診断時における腫瘍の進行度によって決まり,他臓器浸潤や遠隔転移のない段階での切除のみが唯一の治癒しうる治療である.他臓器浸潤を伴う場合は普通切除不能である.CTは術前の進展度診断に広く使用されているが,正確な評価は困難である.一方,超音波内視鏡(EUS)は消化管の壁を直接観察できることより,進展度診断に有用でありうる.
著者らは食道癌52例についてEUSとCTの術前の深達度およびリンパ節転移診断能をprospectiveに比較検討している.37人が手術を受け,手術所見,組織所見と対比された.使用されたEUSは電子リニア型EUS,周波数7.5Mzであった.腫瘍の深達度診断はEUSはT1,T2,T3,T4の4段階の評価で,CTはT1,T2~3,T4の3段階評価でなされた.リンパ節転移診断はEUSは境界明瞭な低エコーのリンパ節を陽性と,CTは10mm以上の腫大したリンパ節を陽性と診断した.なお,病変部の内視鏡の不通過例は7例であった.
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