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第5回日本消化管学会総会は,2009年2月12,13日の両日に坂本長逸会長(日本医科大学内科学講座消化器内科教授)のもと「消化管学,新たな領域へ(New Vision in Gastroenterolog) : 小腸疾患診療の進歩」をメインテーマとして開催された.会場は新宿の京王プラザホテルで例年どおりの平日開催(木,金)ではあったが,参加者数は1,600名以上と今回も過去最高となった.メインプログラムでは,コアシンポジウム4(41演題),ワークショップ11(99演題)に加え,メインテーマの小腸疾患にスポットを当てたシンポジウム(7演題),ワークショップ(12演題),症例検討(8演題)が開催され,一般演題はオーラル(82演題),ポスター(98演題)であった.本学会は毎年着実に会員数が増加しており,今回の参加会員数や演題数をみても学会としての勢いが増してきていることが実感できた.
まず1日目の開会式では,坂本会長が今回のテーマであるカプセル内視鏡と小腸内視鏡による「小腸疾患診療の進歩」を,“New Vision in Gastroenterology”というキャッチフレーズで強調しながら挨拶されたのが印象的であった.会長挨拶の後は,コアシンポジウム4「消化管癌の診断・治療戦略─ここまで可能となった分子生物学的技法と工学的技法」〔司会 : 前原喜彦(九州大学消化器・総合外科学),北川雄光(慶應義塾大学外科学)〕の前半を聴講した.個人的には消化管の形態学を専門としていることもあり,この分野に関してはあまり理解できなかったが,演者と会場からの熱き討論が尽きなかった.これらのコアシンポジウムは本学会の特徴の1つでもあり,特定のテーマの進捗についてシリーズとして数年にわたり取り上げ議論を重ねるもので,今後も継続していただきたい企画である.
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