消化管造影・内視鏡観察のコツ
〔内視鏡観察のコツ〕下部消化管―大腸通常観察
工藤 進英
1
,
和田 祥城
1
,
池原 伸直
1
,
森 悠一
1
,
若村 邦彦
1
,
細谷 寿久
1
,
乾 正幸
1
,
蟹江 浩
1
,
大塚 和朗
1
,
樫田 博史
1
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
pp.1529-1532
発行日 2008年9月25日
Published Date 2008/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101476
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はじめに
大腸内視鏡検査の目的は,盲腸へ挿入することではなく,病変の発見,診断,治療を行うことである.病変の発見は,最初に行われる過程であり,病変の発見なしには診断・治療に行きつかない.腸管内は,ひだが多く,屈曲部があり,すみずみまで観察するのは簡単ではない.また,隆起性の病変は発見が比較的容易であるが,小病変や平坦・陥凹型の病変は,わずかな発赤や粘膜の変化などの微細所見を見逃さないよう神経を集中させる必要がある.病変を少しでも疑う場合には,0.2%のインジゴカルミンを撒布し,病変の有無を判断する.
本稿は,通常観察において病変(特に平坦・陥凹型病変)を発見する際に注目すべき所見,大腸の構造自体から来る観察の死角やスコープの視野角よりなる盲点,通常観察における病変の観察方法について述べる.
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