Japanese
English
今月の主題 colitic cancer/dysplasiaの早期診断─病理組織診断の問題点も含めて
序説
colitic cancer/dysplasiaの早期診断
Introduction
武藤 徹一郎
1
Tetsuichiro Muto
1
1癌研有明病院
キーワード:
colitic cancer
,
colitic dysplasia
,
ulcerative colitis
,
surveillance
Keyword:
colitic cancer
,
colitic dysplasia
,
ulcerative colitis
,
surveillance
pp.1271-1272
発行日 2008年8月25日
Published Date 2008/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101440
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- Abstract 文献概要
colitic cancer/dysplasiaの話題は基礎研究の面でも臨床研究の面でも,大腸疾患の中で最も興味深く話題豊富な分野であると思う.2005年に,これが最後と思って,ある成書の序文でcolitic cancerについて思いの丈を述べさせてもらったが,再びお鉢がまわってくることになった.どうも,この領域も役者不足らしい.
さて,この3年間で何か変わったことがあったのだろうか? 徐々にではあるがUC(ulcerative colitis)患者は着実に増え続けている.したがってcolitic cancer/dysplasiaの候補者も累積的に増えている.しかしその実態はどうなのかという報告は見たことがない.7年以上経過した全大腸炎型および左側結腸型のUCすべてにsurveillanceを行う,という従来からの方式に従っているのでは効率が悪すぎる.高危険群を選別することが極めて重要であるにもかかわらず,その方向性を示唆する研究は見当たらない.難治性炎症性腸疾患調査研究班(日比班)と大腸癌研究会の会員の一部が協力して,大規模な調査研究をスタートさせたが,まだ結果を得るまでには至っていない.この研究によってわが国のcolitic cancer/dysplasiaの実態がかなり明らかになるだろうと期待している.
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