特集 消化管の拡大内視鏡観察2007
コラム
染色法のコツ―小腸
田中 三千雄
1
Michio Tanaka
1
1富山大学附属病院・光学医療診療部
pp.770
発行日 2007年4月26日
Published Date 2007/4/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101080
- 有料閲覧
- 文献概要
小腸における染色法のコツを挙げてみよう.
(1)染色法とコントラスト法の原理的相違を熟知しておく.染色法は色素(メチレンブルー)が粘膜内へ吸収される現象を利用したものである.炎症と上皮性腫瘍に存在する吸収上皮細胞は色素の吸収能が低下しているので,染色法の効果が乏しい(Fig. 1,2).これらの病変の存在と範囲を,このような染色効果の違いをもとに診断するのが染色法である.これに拡大内視鏡を併用すれば,絨毛の外形も明瞭に把握できる.コントラスト法は色素の溜まり現象を利用して,粘膜面の凹凸を明瞭化させるものである.これによって病変部の境界や絨毛の外形をより確実に診断できる.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.