Coffee Break
大腸学事始め―(10)帰国,そして日本の大腸学の幕開け
武藤 徹一郎
1
1癌研有明病院
pp.498
発行日 2007年4月25日
Published Date 2007/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101025
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1972年6月,いよいよ帰国のときが迫って来た.帰国前の思い出に,一家でイタリア一周旅行を計画したが,予定した2週間ではどうしても足りない.なにしろ4歳の娘が一緒なので,パリからはすべて電車の旅.予約なしに3時ごろ目的地に到着して宿を探し,病気にでもなれば直ちに引き返すという旅であるから,2週間ではローマあたりまでしか行けない.Dr. Morsonに恐る恐る3週間の休暇を願い出たら,“Oh, holiday is most important”と直ちにOKが出た.当時の英国人は9時に出勤して午前10時にはティータイムで30分休み,12時からは1時間の昼食休憩のあと午後3時から30分のティータイム,5時には帰宅というのが1日のスケジュールで,まともに働いている時間はほとんどないようなものであった.ただし,これは病理部の技術員の話で,外科医は朝7時から忙しく働いているのが常であった.フランス人ほどではないにしても,イギリス人も休暇を大変重要視しており,そのお蔭で一生の思い出に残るイタリア旅行ができたことに感謝している.
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