消化管造影・内視鏡観察のコツ
〔早期胃癌研究会における提示の基本〕提示してほしい症例
牛尾 恭輔
1
1国立病院九州がんセンター
pp.127-131
発行日 2003年1月25日
Published Date 2003/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101011
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はじめに
「早期胃癌研究会」とこの会が編集している雑誌「胃と腸」の精神は,ひたすら画像と病理の対応に基づいた実証主義を貫いている.すなわち美しい絵と,行き届いた説明にて,客観性に立脚した実証主義に力点がおかれている.しかも内科・放射線科・外科・病理学など関連領域の先生方が,それぞれの専門性を持ちつつ臓器や科の壁を越えて,一同に会している.そこにはわが国の消化管診断学を,世界一にした先達の先生方の心意気が,脈々と流れている.この伝統は約40年間も続き,多くの疾患や病変の本態が,この「早期胃癌研究会」と「胃と腸」から解明されてきた.特にわれわれは提示された症例を通して,画像所見と病理組織学的な所見と比較しながら,その症例の持つ意義について,多くのことを学んできたし,今後も症例から学び続けていくであろう.この考え方にたって,「早期胃癌研究会」に提示してほしい症例,それらの画像などについて,X線像を中心にして私見を述べる.
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