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今月の主題 早期胃癌に対するESDと腹腔鏡下手術の接点
主題
早期胃癌に対するESDと腹腔鏡下手術の接点―私はこう考える:外科の立場から
Intersection of ESD and Laparoscopic Surgery for Early Gastric Canser: My View: In Terms of Surgery
片井 均
1
,
阪 眞
1
,
深川 剛生
1
,
佐野 武
1
,
笹子 三津留
1
,
後藤田 卓志
2
Hitoshi Katai
1
1国立がんセンター中央病院胃外科
2国立がんセンター中央病院内視鏡部
キーワード:
早期胃癌
,
ESD
,
腹腔鏡下胃切除
,
機能温存胃切除
Keyword:
早期胃癌
,
ESD
,
腹腔鏡下胃切除
,
機能温存胃切除
pp.1521-1524
発行日 2006年10月25日
Published Date 2006/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100671
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はじめに
早期胃癌はリンパ節転移頻度が低く,機能温存・縮小手術の導入が可能である.
しかしながら,成績がよい,D2胃切除が安全に行われるわが国では,導入にあたり,根治性を損なうことは許されない.当施設では,根治性の検討を十分に行い,以下の機能温存・縮小手術を導入している.
(1) 内視鏡治療
ESD(endoscopic submucosal dissection): 胃癌治療ガイドライン1)を超えた適応拡大2)
(2) 外科手術
①M領域癌:幽門保存胃切除(pylorus preserving gastrectomy ; PPG)3)
②M,MU領域癌:幽門下動静脈を温存する分節胃切除
③U領域癌:噴門側胃切除(噴切)4)
内視鏡切除は究極の機能温存・縮小・低侵襲手術である.腹腔鏡下手術そのものは胃の機能の温存に資するものはないが,開腹手術に比し,有意に出血量が少ない,蠕動開始が早い,離床が早い,疼痛が少ない,呼吸機能障害が少ない,と報告されている5).腹腔鏡下手術を,機能温存・縮小手術に付加することにより,通常開腹手術に低侵襲性の要素を加えることができ,その点では内視鏡治療と開腹機能温存・縮小手術の間に入るものと考える.当院では,上記手術のうちPPGと分節胃切除を腹腔鏡下に行っている.
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