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芳野(司会) 本日はご出席ありがとうございます.早期胃癌の治療には現在EMR(endoscopic mucosal resection),ESD(endoscopic submucosal dissection)の内視鏡治療,機能温存胃切除が行われています.内視鏡治療については,日本胃癌学会より胃癌治療ガイドラインが提示され,その適応が述べられています.その適応の原則はリンパ節転移の可能性がほとんどないこと,一括切除ができる大きさと部位にあることで,それに従った,具体的な適応法が定められています.また大きく一括切除が可能なESDの開発によって,リンパ節転移の立場から広い範囲の適応についても内視鏡治療の対象となりうるとなっています.その根拠として,粘膜内癌(M癌)のリンパ節転移については同じガイドラインで大きさ,組織型,UL(潰瘍)の有無別の成績が提示されていて,それに従って実際行っているわけですが,これはリンパ節転移のない胃癌の特徴を調べることにより検討されてきました.今回の主題の目的は逆に転移陽性のM癌を取り上げ,その特徴を検討すること,そして実際にEMR,ESDなどの内視鏡治療をするときに,それをどのように生かしていくかを検討することです.また,内視鏡治療後の経過観察をどのようにしていくか,すなわちリンパ節転移や他臓器転移を見つけていく際に,臨床的な対応はどうすべきか.さらに,実際にリンパ節転移,肝転移などを早期に発見,診断するにはどういう方法があるか.その現状と将来についてお話しいただければと思っています.
病理の立場から
大谷(司会) まず病理の立場から,転移を認める胃M癌の特徴についてお話しください.
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