Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
浜田(司会) 今日は「胃粘膜内癌EMRの適応拡大と限界」というテーマで,座談会を開きたいと思います.最近,EMRが非常に盛んになり,2001年3月には胃癌治療のガイドラインが公表されて,一般的な適応が一応決まりました.さらに多くの施設で拡大していく方向もみられますので,どこまで拡大ができるか,その拡大における問題点はどこにあるか,先生方に討論をお願いしたいと思います.最初に下田先生に,このガイドラインに簡単に触れていただきます.
下田(司会) 昨年の3月に日本胃癌学会から胃癌治療のガイドライン(医師用)が出まして,その中で粘膜切除を行える根治可能な胃癌の基準が示されました.たくさんの早期癌の手術例を有している国立がんセンターと癌研の材料の病理学的解析結果から,リンパ節転移のない癌の条件を分化型腺癌で導き出し,早期胃癌に対する粘膜切除の絶対的適応基準が示されました.2cm以内の隆起性の癌と,陥凹型の場合には2cm以内であってもUl(-)の粘膜内癌であるとされています.すなわちUl(+)の陥凹型癌は,適応外とされています.しかし,20mm以上の粘膜内分化型癌あるいはsmに浸潤した癌の中にも,リンパ節転移のない癌はあるのではないかということで,いくつかの施設から詳細な報告が出ております.これらの絶対的適応外の治療を行うときは,ガイドラインの中では患者さんに十分説明を行い,同意の上で臨床研究として行うことになっています,しかし,現時点でも相当数の適応外の早期胃癌に対して粘膜切除術が多くの施設で行われています.拡大治療を求めたときに,どういう条件があればできるかということを本日討論しようということで,よろしくお願いいたします.
![](/cover/first?img=mf.1403104534.png)
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.