消化管造影・内視鏡観察のコツ
〔内視鏡観察のコツ〕胃拡大内視鏡観察のコツ
榊 信廣
1
1東京都立広尾病院内科
pp.1309-1312
発行日 2004年8月25日
Published Date 2004/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100561
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拡大観察の基本とは
Fig. 1は,現在市販されている拡大電子スコープGIF-Q240Z(オリンパス)を用いて,約100倍拡大で内視鏡観察された胃体上部大彎粘膜である.斑状発赤がみられたために拡大観察したが,0.1mm前後の大きさの胃腺開口部である胃小窩(gastric pit)が白色の点として観察されている.
筆者は1)1970年代後半に,30倍の拡大観察能を持つ拡大ファイバースコープFGS-ML II(町田製作所)で胃粘膜を観察して,拡大内視鏡観察された胃小窩単位の模様像に胃粘膜微細模様(fine gastric mucosal pattern)と名づけた.Fig. 2に示すのが当時の写真である.papilla,pit patternなどと様々な名称で呼ばれているが,胃粘膜微細模様の形態の違い,そしてそのレベルの大きさの粘膜変化を観察するのが拡大観察である.
一方,最近では微細血管の形態変化を中心に観察する拡大内視鏡診断が注目されている.Fig. 3はIIc型早期胃癌症例であるが,このように胃癌の診断には特徴的な微細血管の観察が有用とされてきている.
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