消化管造影・内視鏡観察のコツ
〔内視鏡観察のコツ〕上部消化管―ルーチン撮影法―上部から下部へ順に
長南 明道
1
1財団法人厚生会仙台厚生病院消化器内視鏡センター
pp.955-959
発行日 2004年5月25日
Published Date 2004/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100478
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は じ め に
上部消化管のルーチン内視鏡検査とはpanendoscopeによる食道から胃,そして十二指腸(Vater乳頭部を含む)までの一連の観察および撮影である.panendoscopeには直視鏡,および斜視鏡があるが,本稿ではわれわれがルーチン検査に用いている斜視鏡による観察撮影法について述べる.
上部消化管のルーチン内視鏡検査の基本
上部消化管ルーチン内視鏡検査の基本は一定の手順に従って盲点なく観察・撮影することである.
ルーチン内視鏡検査における観察のみの欠点として,①術者の診断能力に差があること,②直視下観察能は,術者のコンディションによって変化すること,③患者の苦痛を軽減し,一定の検査数をこなすためには直視下観察に長い時間をかけられないことなどが挙げられる.写真撮影を行い指導医のもとで撮影写真のレビューを行うことで,見逃し病変の拾い上げ,診断の是正を含めて,以上の欠点が補える.
また,写真を撮影するに当たり,一定の手順に従って,食道・胃・十二指腸を盲点なく撮影しておくことで,たとえ病変を見逃しても,その後の写真判定で拾い上げるきっかけが生じる.また,病変が発見された場合,過去に遡って評価することが可能となる.
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