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小山(司会) 先生方,お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます.「食道表在癌―深達度診断のピットフォール」の座談会を開始させていただきます.最初に,吉田先生に現時点での問題点をご解説いただいた上で,6例の症例を先生方に見ていただき,討論して行きたいと思います.よろしくお願いいたします.
吉田(司会) イントロダクションとして,今までの流れを整理してお話しし,その後の検討につなげたいと思います.
深達度診断,特に浅い癌の深達度診断は大変進歩し,一時期われわれが手探りしながらいろいろと苦労して診断システムをつくってきたころを考えると,隔世の感がします.しかし,現在でも限界があり,深部浸潤を読み切れない症例,浅い癌を深く読んでしまった症例があります.深部浸潤を読み切れなかった症例の病理学的な特徴はいくつかあり,従来から苦い思いをかみしめてきたものです.形態の変化の出にくい浸潤様式がその特徴で(Table1),非常に狭い範囲の浸潤であったり,周囲の組織を壊さず,小さな癌胞巣でばらばらと入っていくとか,定義の問題もありますが,最深部が脈管侵襲で形成されている症例の場合は,なかなか形態に出にくいというものがあります.それから浅いものを深く読んでしまった症例は,迷わせる形態学的変化があるわけでして,それが瘢痕であったり,リンパ球の浸潤であったり,ときには再生上皮がそれに関与してくる.今まで,こういうものが間違いやすいということがわかっていますが,たくさん経験してきて,非常にいい画像をそろえたところでもう一度整理して,何に注意すべきなのかについて今回は議論していただきたいと思っております.よろしくお願いいたします.
小山 それでは早速症例を見せていただきたいと思います.
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