Japanese
English
今月の主題 Crohn病経過例における新しい治療の位置づけ
序説
Crohn病経過例における新しい治療の位置づけ
Introduction
飯田 三雄
1
Mitsuo Iida
1
1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
キーワード:
Crohn病
,
経過例
,
治療
,
抗
,
TNF-α
,
体療法
Keyword:
Crohn病
,
経過例
,
治療
,
抗
,
TNF-α
,
体療法
pp.135-136
発行日 2004年2月25日
Published Date 2004/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100425
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Crohn病は,消化管のあらゆる部位を侵す難治性の慢性肉芽腫性疾患であり,全国疫学調査や特定疾患医療受給者数から推定した患者数は近年漸増傾向にある.20歳前後の若い成人に好発することから早急に治療法の確立が望まれるところであるが,原因不明のため根治的治療はいまだ確立されていない.したがって,急性増悪期における一般状態の改善と病勢の緩解,および,できるだけ長期間通常の社会生活を送らせることが治療の目標となっている.
従来,本症の活動期には,栄養療法(完全静脈栄養あるいは経腸栄養)が第一選択の治療法として用いられ,栄養療法のみで緩解に導入できない場合,副腎皮質ホルモン,salazosulfapyridine,mesalazine,metronidazole,免疫抑制剤などの薬物療法が併用されてきた.しかし,これらの治療が十分に奏効しない症例も少なくない.しかも,治療の基本となる栄養療法は通常の食事を制限するため生活の質(QOL)を著しく損なう.このような状態を打破するため,副作用の少ない新しい治療法の出現が待たれていた.そこで登場したのが,2002年6月より保険適用となった抗TNF-α抗体療法(infliximab)である.本特集は,infliximabを中心としたCrohn病の新しい治療法の位置づけを,主として形態学的な側面から検討し論じていただくという主旨で企画された.
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