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今月の主題 最新の早期胃癌EMR―切開・剥離法
主題
早期胃癌に対する切開・剥離法の工夫―私はこうしている―ヒアルロン酸ナトリウムと先端細径透明フードを用いたEMR切開・剥離法
Endoscopic Submucosal Dissection: Using Sodium Hyaluronate and a Small-caliber-tip Transparent Hood
山本 博徳
1
,
花塚 和伸
1
,
喜多 宏人
1
,
砂田 圭二郎
1
,
菅野 健太郎
1
Hironori Yamamoto
1
1自治医科大学内科学講座消化器内科学部門
キーワード:
切開・剥離法
,
ヒアルロン酸ナトリウム
,
STフード
Keyword:
切開・剥離法
,
ヒアルロン酸ナトリウム
,
STフード
pp.46-49
発行日 2004年1月25日
Published Date 2004/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100412
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はじめに
近年切開・剥離法の登場により早期胃癌の内視鏡治療に大きな変革がもたらされた.もともとEMR(endoscopic mucosal resection)は病変粘膜を回収し,病理学的評価ができる手技として早期胃癌の根治術として認められていたが,この正確な病理学的評価のためには一括摘除が望ましいと考えられていた.切開・剥離法ではあらかじめ周囲粘膜の切開を行い,スネアに頼らず各種ナイフで粘膜剥離を行うためほぼ確実に一括摘除できる利点がある(Fig.1).しかし偶発症・切除時間・標本の熱変性など問題点も残されており,最近の研究会等での発表においても不満足な結果が多々認められる.時間をかけ苦労して一括摘除しても標本の熱変性が強く垂直断端の正確な病理評価ができないというようなことがあっては意味がない.
切開・剥離法においても安全・迅速でかつ変性の少ない標本の得られる手技が望まれるという考えから,われわれは様々な工夫を重ねてきた.局注液にヒアルロン酸ナトリウムを使用する粘膜切開法を1998年6月から開始し1),1999年10月からスネアに頼らない切開・剥離法を行っている2).本稿ではこれまでの約450例(大腸も含む)の経験から得たわれわれの工夫点を紹介する.
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