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今月の主題 最新の早期胃癌EMR―切開・剥離法
主題
早期胃癌EMRにおける切開・剥離法の位置づけ―EMRの歴史を鑑みながら
The Positioning of Endoscopic Submucosal Dissection for Early Gastric Cancers: Based on Experience with EMR
長南 明道
1
Akimichi Chonan
1
1仙台厚生病院消化器内視鏡センター
キーワード:
早期胃癌
,
EMR
,
切開・剥離法
Keyword:
早期胃癌
,
EMR
,
切開・剥離法
pp.15-22
発行日 2004年1月25日
Published Date 2004/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100406
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要旨 EDSP,ERHSE,strip biopsyなどのEMR手技が世に出た当初は外科手術に替わる根治的なEMRは一括切除が原則とされ,リンパ節転移のない条件,および手技的な限界から,適応は分化型cM癌で隆起型は2cm以下,陥凹型はUL(-),1cm以下とされた.その後,治療困難部位の克服を目指し,EMRC,EAMなどのcap吸引切除法が登場,器具の開発・改良が進む.また,EMR後のQOLが良好であることから,計画的分割切除の概念が提唱されてからは,分割切除許容による適応拡大に向かう.一方,EMR後の完全切除の判定が分割切除では極めて困難であること,また,一括切除例に比べて多分割切除後の局所遺残再発率が高いことから,大きく一括切除切除できる手技が待望される.このような背景の下,ITナイフ,フックナイフ,細径スネア・フレックスナイフなどの切開・剥離法が登場し現在に至る.切開・剥離法は病変を大きく一括切除できる良い方法であるが,手技が難しく,偶発症の発症が多い,時間がかかるなど問題も多い.これらを克服し,確実,安全,迅速な治療法とするべく,さらなる発展が望まれる.
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