Japanese
English
今月の主題 いわゆる側方発育型大腸腫瘍の治療法を問う
主題
いわゆる側方発育型大腸腫瘍の治療―私はこう考える
Treatment of Laterally Spreading Tumor: My View
趙 栄済
1
Eisai Cho
1
1京都第二赤十字病院消化器科
キーワード:
側方発育型大腸腫瘍
,
一括切除
,
分割切除
,
EMR
,
ESD
Keyword:
側方発育型大腸腫瘍
,
一括切除
,
分割切除
,
EMR
,
ESD
pp.1822-1823
発行日 2005年12月25日
Published Date 2005/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100186
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切除方法と適応
いわゆる側方発育型大腸腫瘍は,水平方向への発育が優位なため大型を呈することが多い.したがって,内視鏡あるいはEUS(endoscopic ultrasonography)での深達度判定で明らかな浸潤所見を呈さない場合は大型腫瘍でも内視鏡的切除の適応となる.切除にあたっては,一括切除法だけでなく分割切除法も適用される1).分割切除に際しては,一括切除に比較してより詳細な内視鏡観察で完全切除を期す.次に,すべての切除標本の回収と原型に近い再構築による組織学的検討で,粘膜内腫瘍と診断すれば完全治癒切除に準じた扱いとする.さらに一括切除法による完全治癒切除の場合と比べてより短期の間隔で内視鏡的に経過を観察する.以上の指針で遺残腫瘍は極めてまれであり,たとえ存在しても内視鏡での追加処置により最終的には治癒状態への導入がほぼ可能である.しかし,以上の取り扱いには内視鏡的切除に対する適応判定が重要である.まず絶対的適応として,深達度が粘膜内か粘膜下層微小浸潤に限定される.さらに内視鏡的腫瘍切除における技術的条件を満たす必要がある.すなわち,一括あるいは分割切除法の施行に際しては,➀腫瘍境界の同定が可能であること,➁病変全域の観察が可能であること,➂粘膜下注入で病変が明瞭に挙上すること,が挙げられる.また腫瘍の大きさについても,➀長軸方向では2ひだにまたがらない,➁短軸方向ではほぼ半周にとどまる,といった条件が必要であろう.
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