特集 消化管の出血性疾患2005
止血術
4.アルゴンプラズマ凝固法(APC)
長南 明道
1
,
三島 利之
1
,
石橋 潤一
1
,
中掘 昌人
1
,
松田 知己
1
,
三宅 直人
1
,
川原 佳代子
1
,
望月 福治
1
1仙台厚生病院消化器内視鏡センター
キーワード:
アルゴンプラズマ凝固法
,
APC
,
内視鏡的止血術
Keyword:
アルゴンプラズマ凝固法
,
APC
,
内視鏡的止血術
pp.692-693
発行日 2005年4月25日
Published Date 2005/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100095
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アルゴンプラズマ凝固法の機序
アルゴンプラズマ凝固法(argon plasma coagulation ; APC)はアルゴンガスを媒体として高周波により凝固を行う非接触型高周波凝固法である.その凝固メカニズムは,プローブ内に流されたアルゴンガスがプローブ先端で高周波電流によりイオン化され,アルゴンプラズマ流となって組織の表層を凝固することによる.標的部位はアルゴンプラズマ流が到達すると瞬時に凝固が完了し,それにより組織の抵抗が上昇するが,高周波電流は抵抗の低い組織に向かう特性を有するため,組織抵抗が上昇した同一部位への連続凝固はなされない.また,プラズマ流はプローブと同軸方向に直線的に伸びるだけでなく,側方に放射状に障害を回り込むように進展しながら,電導性のある出血部位を選択的に凝固し,凝固の完了していない低抵抗の組織に向かう特性を有するため,自動的に均一でばらつきのない凝固層,乾燥層を形成することが可能となる.
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