増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
免疫学的検査
感染症関連検査
ウイルス抗原・抗体検査
ATLウイルス(HTLV-I)抗体
平田 美樹
1
,
池松 秀之
1
,
柏木 征三郎
1
1九州大学医学部総合診療部
pp.550-552
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909936
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
検査の意義・目的
HTLV-Iウイルス(human T cell lymphotropic virus type I)は,日本の南西部に多発する成人T細胞白血病/リンパ腫(adult T cell leukemia/lymphoma;ATL)の病因ウイルスとして発見された.ATL患者血清中にウイルスに対する抗体(HTLV-I抗体)が証明され1),一般健康人の中にも抗体陽性者が存在することが明らかにされた.抗体陽性者の末梢血リンパ球を培養すると,リンパ球表面にウイルス抗原が発現されることから,抗体の存在は既感染を示すのではなく,持続感染を意味することが明らかになった.
現在,HTLV-I抗体の測定は,HTLV-I感染のマーカーとして以下のような目的で行われている.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.