検査じょうほう室 生化学:おさえておきたい生化学の知識
内因性の糖化アミノ酸の影響を回避するグリコアルブミンの測定
小野 佳一
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.542-544
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101257
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はじめに
グリコアルブミン(glycoalbumin,以下GA)は,グルコースがアルブミンと非酵素的に結合した糖化蛋白質で,アルブミンの生体内での半減期が17~23日1)であることから,1~2週間の血糖値を反映する指標とされている,2).GAの測定は,高速液体クロマトグラフィー法(high performance liquid chromatography,HPLC法)で測定されていたが,日常検査に便利な酵素法3)が開発されキットとして供給されるようになり4)急速に日常検査として実施される施設が多くなっている.さらに,2004年度の診療報酬改定でヘモグロビンA1c(HbAlc)が外来診療料に組み込まれたことから,GAの注目度は一段と高くなっているようである.
酵素法によるGAの測定は簡便で汎用の自動分析装置で測定できるが,高濃度のアミノ酸を含む高カロリー輸液製剤を投与されている症例では測定原理上,検体中の糖化アミノ酸を測り込み,正誤差になる4,5).そこで,筆者らは,第一化学薬品より市販されているGA測定キット,ルシカGAを用い,最初に検体中の糖化アミノ酸を消去したうえでGAを測定するGA改良法を考案した6).この方法について以下に紹介する.
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