増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
酵素および関連物質
心筋・肝関連
IV型コラーゲン・7S
五十嵐 省吾
1
1東京専売病院内科
pp.100-101
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909767
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慢性肝疾患の終末像は肝硬変であり,慢性化の進展に伴ってコラーゲン線維の増成と蓄積が起こる.肝疾患の際に増生・蓄積されるコラーゲンはI,III,IV,V型コラーゲンであるといわれている.肝に蓄積されたコラーゲン線維はその量が増加すると,周知のごとく周囲組織を圧排し,肝細胞障害を招来し,その修復機転として,さらにコラーゲン線維の蓄積を促進するという悪循環に陥る.蓄積されたコラーゲン線維の量を知ることは疾患の治療や予後の判定に極めて重要である.肝生検はそのためには最も確実な検査法であるが,観血的検査法であり,時には危険を伴う.肝生検に代わるものとして,これまでに種々の試みがなされてきた.血液中に存在する結合組織成分を測定することにより線維化の程度を推定しようとして開発されたのが,いわゆる線維化マーカーである.1969年にIII型プロコラーゲンのN末端ペプチド(PIIIP)の測定法が開発されて,臨床に応用されて以来,ラミニン,プロリン水酸化酵素,IV型コラーゲン(Type IV-C,7S,NC 1)の測定が臨床に応用されている.
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