増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
炎症マーカー
アミロイドA
惠 以盛
1
,
下条 文武
1
,
荒川 正昭
1
1新潟大学医学部第2内科
pp.58-59
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909751
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検査の目的・意義
Serum amyloid A(SAA)蛋白は,アミロイド線維の生化学的研究の過程で,新しい蛋白として見いだされた.アミロイド構成蛋白としては,最初に免疫グロブリンのL鎖が同定されていたが,続発性アミロイドーシスの患者のアミロイド蛋白はこれとは別のものであり,アミロイドA(AA蛋白)といわれた.その後,血中にこれと同一の抗原性を持つ蛋白が見いだされ,SAAと呼ばれるようになった1).
SAAは分子量約12,000の糖を含まない蛋白質で,血清中ではアポリポ蛋白の一つとしてHDL(high density lipoprotein),特にHDL3に大部分が存在している.また,荷電の差から3〜6種のポリモルフィズムが存在し,アミノ酸一次構造上も何種かの異なるものが報告されている.遺伝子レベルでは,少なくとも3種のgeneが存在するといわれている2).
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