カラーグラフ 非観血的検査法による循環器疾患の総合診断
興味ある左室流入様式の変化を示した拡張型心筋症の1例
大木 崇
1
,
福田 信夫
1
,
井内 新
,
小川 聡
,
細井 憲三
,
藤本 卓
1徳島大学医学部・第2内科
pp.532-542
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909632
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■心音図・心機図所見
図1は,入院時および病態改善時の心尖部低音心音図と心尖拍動図を示す.
入院時には,心音図上明瞭なIII音と小さなIV音を認める.63歳という年齢を考慮すれば,これらの所見は明らかに病的であり,左室拡張期荷重増大の存在を考えるべきである.その理由は,一般に加齢とともに左室心筋の拡張期伸展性は低下するようになり,高齢者ではIII音よりもIV音のほうが優勢になることが多いためである.
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