今月の主題 白血病—最新の知見と治療
新しい治療法
骨髄移植療法
南 三郎
1
,
小寺 良尚
1
1名古屋第一赤十字病院・第4内科
pp.638-641
発行日 1990年4月10日
Published Date 1990/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909534
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1970年代の初めにシアトルグループにより開始された白血病における近代的骨髄移植は,当初化学療法不応性の再発時の姑息的な治療法の1つとして出発したが,13%の長期生存率が報告され,治癒を望み得る治療方法として注目された.その後,移植時のclinical scoreと長期生存率が密接に関連していることから,寛解期移植が提唱され,最近の抗腫瘍剤や免疫抑制剤の開発,抗ウイルス剤,抗生物質,サイトカインなどの補助療法の進歩とあいまって良好な移植成績が得られるようになった.しかし骨髄移植後の特有な合併症であるGVHD(graft versus host disease,移植片対宿主病),IP(interstitial pneumonia,間質性肺炎)あるいは白血病の再発は移植成績の向上に依然大きな障害となっており,今後の克服すべき課題である.
本稿は白血病における骨髄移植の現状,とくに名古屋骨髄移植グループの成績1,2)を中心に述べるとともに,世界の現状3)に言及してみたい.
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