今月の主題 白血病—最新の知見と治療
新しい治療法
CSFと白血病細胞増殖作用
別所 正美
1
,
平嶋 邦猛
1
1埼玉医科大学・第1内科
pp.631-633
発行日 1990年4月10日
Published Date 1990/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909532
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Colony-stimulating factor(CSF)は,もともと,造血細胞をin vitroで培養した際に顆粒球とマクロファージからなる細胞集団(コロニー)の形成を促す液性因子として同定されたものであるが,現在では,造血前駆細胞の分化・増殖や成熟血球の機能発現を調節する生理的な物質であると考えられている.
CSFはその作用の主な標的となる造血前駆細胞の分化レベルに基づいて,multi-CSF(interleukin-3,IL-3),granulocyte-macrophage CSF(GM-CSF),granulocyte CSF(G-CSF),macrophage CSF(M-CSF)などに分けられている.これらCSFはすべて糖蛋白であるが,最近の遺伝子工学技術の進歩により,そのDNAが単離され遺伝子組み換え型CSFの大量生産が可能になり,臨床への応用が期待されている.これらCSFの特徴は表にまとめて示したが,その詳細にっいては他の総説1)を参照されたい.
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