増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用
循環器薬
ループ利尿薬(ラシックス,ダイアート)
松島 秀樹
1
,
菱田 明
2
1聖隷三方原病院腎臓内科
2浜松医科大学第1内科
pp.60-62
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908947
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適応
ループ利尿薬は,ヘンレ係蹄の太い上行脚部におけるNa+-K+-2 Cl-の共輸送系を尿細管腔側から阻害し,Na+,Cl-の再吸収を抑制することにより,強力な利尿作用を発揮する.フロセミド(ラシックス®),アゾセミド(ダイアート®),トラセミド(ルプラック®)などが代表的な薬剤である.
心性浮腫,腎性浮腫,肝性浮腫などが適応となるが,浮腫,胸水,腹水がある場合には,初めにその原因の鑑別診断を行うことが大切である.特に心不全,肝硬変,腎不全,ネフローゼなどの疾患の有無を明らかにし,それらの治療を十分に行う必要がある.原疾患の治療,および食塩制限や安静などによっても浮腫の改善が認められない場合,本剤の投与が考慮される.緊急にループ利尿薬の投与が必要となるのは,心不全や腎不全により肺水腫をきたしている場合や,高度の腹水が貯留して呼吸不全を呈している場合である.
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