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第4章 循環器系に作用する薬剤
[利尿薬]
ループ利尿薬
杉本 俊郎
1
1滋賀医科大学 総合内科学講座
pp.688-692
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_688
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・ループ利尿薬は,糸球体で濾過されたNaの約20~30%を再吸収するHenleの太い上行脚の管腔側から,Na/K/2Cl共輸送体を阻害することで,強力なNa利尿作用を有する薬剤である.
・体内にNaが貯留して体液過剰をきたす,うっ血性心不全・肝硬変・慢性腎臓病・ネフローゼ症候群などのうっ血・浮腫改善の第一選択薬として,ループ利尿薬(経口・静脈内投与)が使用される.
・ループ利尿薬を適切に使用するためには,病態による同薬の薬物動態・薬物力学の変化に対する理解が必須である.
・近年,種々の新規利尿薬が使用可能となったが,うっ血・浮腫改善のためには,ループ利尿薬との併用が基本である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023