短期連載 医師が出遭うドメスティック・バイオレンス・2
DV事例の早期発見とその対策—妊産婦におけるDV事例の把握と支援
加藤 治子
1
1阪南中央病院産婦人科
pp.1256-1259
発行日 2002年7月10日
Published Date 2002/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908799
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多くの臨床医にとって,診療のなかで,患者の背景に「夫や恋人の暴力があるのでは」と疑うような事例の経験は,一度や二度はあるはずである.しかし,プライベートなことだからとか,トラブルに巻き込まれたくないといった理由でその事実を確認することも避け,必要最小限の医療を提供するにとどまることが多かったのではないだろうか.昨年施行されたDV防止法の第六条には,「医師その他の医療関係者による被害者の発見と通報について」と「情報提供の努力義務」が明記された.アメリカにおける全国的な取り組み1)にははるか及ばないが,DV事例の発見と対応に向け,日本の医療も取り組まなければならないときがきた.
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