プライマリケアにおけるShared Care—尿失禁患者のマネジメント・2
尿失禁の疫学
福井 準之助
1
1聖路加国際病院泌尿器科
pp.1950-1954
発行日 2001年11月10日
Published Date 2001/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908461
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1.調査背景
厚生白書によると1998年のわが国における平均寿命は,男性77歳,女性84歳である.75歳の男女における平均余命は,男性9.81年,女性10.20年である.この余命における高齢者が自立できる期間(活動的平均余命:quality of adjusted life year;QALY)は男性8.2年(84%),女性10.2年(79%)と報告されており,この期間の延長が長寿社会における高齢者の生きがいにつながる.高齢者の三大症候として尿失禁,痴呆,転倒が挙げられ,人口の高齢化に伴って尿失禁患者数の増加は避けられないが,実のある長寿社会とするためにも早期の尿失禁対策が肝要となる.一方,人口の高齢化は寝たきり老人をはじめとする介護が必要となる高齢者の増加をも意味している.その数は2000年度で約70万人(高齢者人口の約13%)に達すると報告されており,寝たきり高齢者に対する尿失禁対策が重要となる.したがって,泌尿器科医,かかりつけ医,看護婦,コメディカルスタッフが失禁対策において担わなければならない役割はきわめて大きい.
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