増刊号 CT・MRIアトラス—正常解剖と読影のポイント
骨・軟部
各論
膝関節
中西 克之
1
1大阪船員保険病院放射線科
pp.385-390
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908421
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正常解剖
膝関節のMRIを読影分析する場合,まず,関節を構成する構造物を把握し,その構造物がどのような組織特性をもち,MRI上どのような信号をもつかを把握しておく必要がある.図1に関節の模式図を示し,図2に関節を構成する構造物のMRI上の信号強度(JCAT 1984)を示す.
関節面にはすべて,関節軟骨が骨を取り巻くように認められ,大腿骨,脛骨,膝蓋骨を覆っている.大腿骨—脛骨間の関節には,関節軟骨に加え,荷重に対するクッションの役割として関節半月(半月板—線維軟骨)が存在する.関節には,2つ以上の骨の接合部分を取り囲むように関節包(bursa)が存在し,関節包の表面の膜が滑膜(synovium)である.関節包内には関節液が存在し血流をもたない,関節軟骨や半月板の一部を栄養している.
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