増刊号 CT・MRIアトラス—正常解剖と読影のポイント
骨・軟部
各論
股関節
小山 真道
1
,
大橋 健二郎
1
1聖マリアンナ医科大学放射線医学教室
pp.378-384
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908420
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正常解剖
骨盤の関節には,股関節,仙腸関節,恥骨結合があるが,このうち股関節のみが運動に関係し,仙腸関節と恥骨結合によって安定性が保たれている.股関節は,いわゆるball and socket状で,球状の大腿骨頭とカップ状の寛骨臼(臼蓋)からなっている.これにより股関節は,屈曲・伸展,内転・外転,内旋・外旋と多彩な動きが可能であるが,同時に体幹部を支え,起立するための安定性を保つという重要な役割を果たしている.
大腿骨頭は,その中心の直下にある大腿骨頭靱帯(円靱帯)の付着部の陥凹を除き,表面全体が軟骨で覆われている.これに対して,臼蓋は,尾側に開く馬蹄状の軟骨で覆われている.
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