増刊号 CT・MRIアトラス—正常解剖と読影のポイント
腹部
各論
副腎
百瀬 充浩
1
,
角谷 眞澄
1
,
蒲田 敏文
2
1信州大学医学部放射線科
2金沢大学医学部放射線科
pp.282-289
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908402
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正常解剖
副腎は第11〜12胸椎の高さで椎体の両外側を走る横隔膜脚の外側にあり,後腹膜腔(Gerota筋膜内)の最上方に位置している.CT(図1,2)・MRI(図3)の横断像では,線状ないし逆Y字構造として描出されるが,冠状断像では内翼と外翼の2枚の翼が上部で畳まれて下部で広がる構造である(図4,5).右副腎は肝右葉の内側,右横隔膜脚の外側,下大静脈の後方に,また,左副腎は脾臓の内側,左横隔膜脚の外側,脾動静脈ないし膵体尾部の後方に認められる(図2).副腎の長径は4〜6cm,幅が2〜3cmで,翼の厚みは通常3〜6mmである1).
CT(図1,2)では,周囲を脂肪組織で囲まれた線状ないし逆Y字構造の軟部組織濃度陰影である.造影剤でよく染まり,早期相では動静脈に近い強い増強効果を示す(図2).スライス厚1cmでは輪郭がはっきりしがたいが,3mmでは明瞭に描出される.また,3mm以下で撮像した場合には,画像再構成によってMRIに劣らない冠状断像(図4)も可能である.
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