増刊号 CT・MRIアトラス—正常解剖と読影のポイント
脳脊髄
各論
側頭骨
藤井 直子
1
1藤田保健衛生大学医学部放射線医学教室
pp.102-105
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908369
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
側頭骨には外耳,中耳,内耳が含まれる.中耳は鼓膜,鼓室,乳様突起(乳突洞,乳突蜂巣),耳管からなり,内耳には蝸牛,前庭,三半規管が含まれる.中耳や内耳疾患では画像診断の占める役割が大きい.中耳の構成成分の大部分は骨であり,単純X線写真,X線断層撮影,CTが行われるが,腫瘍や真珠腫など軟部腫瘤を形成する疾患ではMRIが併用される.内耳の画像診断は,内耳奇形や内耳道から発生する聴神経腫瘍の診断に必須であり,CTとMRIが用いられる.
本稿では,側頭骨のCT像について述べる.側頭骨は構造物が小さく,高分解能CT(high-reso—lution CT:HR-CT,ターゲットCT)像が作成される.これは,両側の側頭骨をスキャンした後で,左右の側頭骨に領域を限定し,高分解能フィルター処理をして1〜2mm厚の画像を再構成するものである.通常は軸位断と冠状断の2断面がスキャンされる.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.