カラーグラフ 消化管内視鏡検査—知っておきたい基礎知識・1
食道—正常内視鏡像
島田 英雄
1
1東海大学医学部外科
pp.150-153
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907978
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食道正常粘膜の内視鏡所見
食道粘膜の正常所見をよく理解しておくことは,異常所見の指摘には不可欠である.正常食道粘膜は平滑で光沢と透明感がある.色調からすると乳白色調であり,上皮下に細い樹枝状の血管網が透見される.血管網は食道の上端(食道入口部)と下端(食道胃接合部)では特徴的な縦走する柵状の血管走行を呈する.蠕動収縮に伴う形態の変化では,縦走ひだと横走ひだからなる特徴的な“畳目模様”が観察される.異常所見とすべきわずかな変化として,①粘膜の混濁所見やざらつき,白色調のわずかな隆起,②発赤斑やわずかな陥凹や隆起に伴う発赤所見,③毛細血管網の変化として,正常血管網の消失や断裂,口径の不整などの様々な所見が挙げられる.
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