今月の主題 内分泌疾患診療と研究の最前線
副腎疾患—診断と治療法の進歩
褐色細胞腫の131I-MIBGによる診断と治療
遠藤 啓吾
1
,
井上 登美夫
1
1群馬大学医学部核医学科
pp.411-414
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907928
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ポイント
●褐色細胞腫で発作性高血圧などの臨床症状を呈するのは,3cm以上の大きさの腫瘍なので,副腎の場合には診断は容易である.
●しかし,10%diseaseと呼ばれ,10%の症例では副腎外に発生する.また10%が悪性で,両側性,家族性もそれぞれ10%に見られる.それらの症例では131I-MIBGによる核医学診断が有用である.
●131I-MIBGは悪性褐色細胞腫の治療にも用いられる.
●131I-MIBGは褐色細胞腫以外にも,甲状腺髄様癌(Sipple症候群,MENIIa),神経芽細胞腫,カルチノイドなどに集積する.
●131I-MIBGの集積する腫瘍は,いずれも神経外胚葉由来の神経堤(neural crest)より発する腫瘍である.
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